読了本ストッカー:「都会には、本を読んでも精神の腐ったのが、ウヨウヨしている」……『昔日の客』

昔日の客
関口 良雄
夏葉社
2010-10

2014/6/19読了。
若者は、東京に出てから三年になるが、つくづく東京というところがいやになった、この秋までには、きれいな川や山の見える田舎へ帰り、親のやっている果樹園を手伝うことに決めたと言っていた。
私は話を聞いているうちに、若者の無知を軽蔑するどころか、すがすがしい気持ちになり、立派だと思った。
若者よ、君は本を苦手だといい、本を読まない事をはじていたね。そんなこと、少しもはじる事はないんだ。君の心は、この濁った東京に住んで、少しも汚れなかったではないか。都会には、本を読んでも精神の腐ったのが、ウヨウヨしている。