読了本ストッカー:教養主義を超えて……『世界文学ワンダーランド』


2014/4/17読了。

「文学なんて面白けりゃいいんだ!」とフジテレビのような合言葉の本書。文字通り世界文学のブックガイドです。
長い間「探求書リスト」を作ってますんで、有名どころの世界文学には抜けも少ないんじゃないかと思いきや……まだまだあった!
しかしほとんどハードカバーなんだよなぁ……「文庫堂」としては辛いとこです。ピンチョンの『重力の虹』やマルケスの『百年の孤独』を10年くらい積ん読している身には……。

牧氏も書いておられますが
古い育ちのせいか、どうも尾テイ骨のあたりに教養主義というやつが残っているらしく、ときどき「もっと真面目な文学も読んでおかないといけないかな」と不安にかられる。
そうなんですよね~。この種の教養主義は結構根強く残っていて、子どもと一緒に図書館に行くと、ときたま顔を出しそうになるのです。

本書の立ち位置としては(一面的な見方ですが)、「ドストエフスキーとか、暗~い日本の純文学とか、そんなのばっかりが文学じゃない!」→「もっとぐっちゃぐっちゃだけどすんげー面白い物語がたくさんあるぞ!」というものだと思うんですが、本書に取り上げられている「世界文学」も、すでに古典の一部と化している、権威になってしまっているのでは? と思います。
私も全然読んでないので、読んでいない自分を擁護するようで若干恥ずかしいですが、「世界文学なんか読まなくても、もっと面白い物語がある!」と子供たちに思わせる、次のタームに入っちゃってるんじゃないのかなぁ?

最近よく思うのは、「本好き」って名のるのにはどの程度読んでたらいいの? ってこと(笑)。
古本屋めぐりもしてるし、図書館は市や町をはしごして使い倒してるし、出版社に勤めてるし、仕事でも書店ばっかり回ってるし(当たり前)、近所の人たちには「どんだけ本好きなんだ……」とドン引きされている今日この頃ですが、実際読むのは年間100冊程度。
SF好き、ミステリ好き、時代小説好き、伝奇小説好きだと思ってましたけど、アシモフは読んでいない、クリスティーもクイーンも読んでいない、池波正太郎も読み残し多数、荒山徹しか読んでいない、エトセトラエトセトラ……。
どこまで行けば(たいしていってないけど)「本好きで~す!」と、こぶ平師匠並みに宣言してもいいんでしょうね?

版元営業をしていると感じないことですが、「読書」ってのは結構特殊な趣味です。子どもの友達のお父さんと話していると「本はまったく読まない。マンガも読まない」という人、結構いますし……。
うちも、新刊配本は3000部くらい? それで全国間に合っているんですから……あれ? なんでこんな話になったんでしょうね?

『第一之書#ガルガンチュワ物語』 フランソワ・ラブレー 岩波書店 岩波文庫
『第二之書#パンタグリュエル物語』 フランソワ・ラブレー 岩波書店 岩波文庫
『第三之書#パンタグリュエル物語』 フランソワ・ラブレー 岩波書店 岩波文庫
『第四之書#パンタグリュエル物語』 フランソワ・ラブレー 岩波書店 岩波文庫
『第五之書#パンタグリュエル物語』 フランソワ・ラブレー 岩波書店 岩波文庫
『キャッチ=22㊤㊦』 ジョーゼフ・ヘラー 早川書房 ハヤカワ文庫NV
『ブックハンターの冒険』 牧眞司 学陽書房
『彼らはSW19からやってきた』 ナイジェル・ウィリアムズ 早川書房
『妖精写真』 スティーヴ・シラジー 早川書房