読了本ストッカー:傑作怪獣小説!……『MM9』


2014/2/10読了。

『アイの物語』に続いて山本弘氏のSFを。
それにしても面白い!
いつも思いますが、記述師のようなSF初心者こそ、山本氏の作品を読むべきです!
山本氏の作品にはSF魂が凝縮していますし、やたらと小難しいわけでなく、とはいえ数学的にも計算し尽くされていて、しかし最後のところで、科学を乗り越える奇想もぶち込んでくる。まさに日本SFのお手本といえる作品ばかりです。

本作品での「奇想」は「多重人間原理」。
この理論で、科学的には存在し得ないはずの怪獣(巨大な怪獣は、物理的に自重を支えきれないので存在できないとか)が作品世界に存在する理由とか、光線を吐いたりできる理由とか、自分の放射能で自滅しない理由とか、石のようになって眠っていた怪獣が、突然目を覚ます(ありましたよねぇ! ウルトラマンとかに!)理由とか、すべてを説明します。いやすごいほんとに。

巻末の山岸真氏による作品解説と、山本氏自身のホームページの自作解説がすべてを語り尽くしているので、読まれた方は一読をおすすめします。


◆「第一話 緊急! 怪獣警報発令」
◆「第二話 危険! 少女逃亡中」
◆「第三話 脅威! 飛行怪獣襲来」
◆「第四話 密着! 気特対24時」
◆「第五話 出現! 黙示録大怪獣」