読了本ストッカー:短編の切れ味の方が好みでした……『バビロニア・ウェーブ』


2013/11/25読了。

以前『地球環』に収録されている「バビロニア・ウェーブ」を読みました。
つまり本書の基になった短編ですが……どうだろう? もしかすると短編のほうが面白かったかも?
本書も非常に面白いんですが……。

太陽系から3光日の距離に位置する銀河面を垂直に貫くレーザー光束「バビロニア・ウェーブ」。
直径1200キロ、全長5380光年に及ぶ定常波です。ということは始まりと終わりがあるわけで……両端になんらかの反射装置、もしくは重力源があるはず。
しかしそこは、原理や由来はわからずとも、とりあえず利用しちゃうちゃっかり人類! 反射鏡を45度角で差し入れて、膨大なエネルギーを獲得。無尽蔵なエネルギーによって太陽系内のエネルギー問題は即解決(笑)。バラ色の時代を謳歌しています。

心配ごとがあるとすれば、45度角で反射鏡を差し入れたことにより、地球側にエネルギー光束を取り出したのと同時に、反対側に同量のエネルギー光束をぶっ放しているってこと。もしそちら側に知的生命の星があれば大変な事態に……。そこでSETI計画はなんとな~く継続中。

そんなこんな?でストーリーは進むのですが。
レーザー光線によるセイル型宇宙船が出てくるのですが、反対側の(つまり進行方向側の)レーザー光線発振装置が壊れたことにより減速できず、そのまま深宇宙に投棄する場面があります。
でも以前読んだ『新世紀未来科学』で、機体の一部を前方に投棄することによる減速法とかあったような気がするんですが……違いましたっけ? ちょっとそこが気になったのでした。