読了本ストッカー:これぞオフビート!? SFやホラーの文法から全力で遁走!……『レフトハンド』


2013/6/5読了。

外資系製薬会社の埼玉研究所でバイオハザードが発生。自衛隊や厚生省により秘密裏に隔離されます。
漏れたウィルスは通称レフトハンド・ウィルス。感染すれば致死率百パーセント! しかもその症状は、左腕が脱皮して、別の生物となって動き回るという、そりゃもうあーた!

しかし本書は、解説で大森望氏も書くとおり、バイオホラーの文法からも、バイオSFの文法からも、全力で遁走します!

製薬会社も厚生省も公安も自衛隊もみんながみんな責任逃れすることしか考えてないし、レフトハンド・ウィルスを研究するのは、変人(?)の厚生省学術調査員と、ウィルスに感染し、余命幾ばくもない開発責任者のみ!

感情移入できないメンタリティの登場人物ばかりでしたが、なんかラストにはラブストーリーか、これ!の驚きが!

これが「オフビート」ってやつかと感心しました。いつも「オフビート」と唱われる本を読むと、むちゃくちゃすぎてついていけなくなるのですが……本書はとても楽しく読めました。

遁走してるとはいえ(笑)やはりSFやホラーが下敷きにあるからかなあ!