読了本ストッカー：凄まじい完成度！……『西遊記#トリック・ワールド探訪』
2013/5/18読了。
『西遊記』の研究者・中野美代子氏による『西遊記』解題の書です。
『西遊記』って時代によっていくつかのバージョンがあることなんか、全然知らなかった！
明代に南京の世徳堂が刊行した現存する最古のテキストなんて……
この世徳堂本にいたるまでには、宋代の話本（講談本）やら元代の小説やら、明代になってからの戯曲やら小説やら、かなりの数の先行資料がある。失われて現存しないテキストもすくなくない。世徳堂本は、それら先行資料から、おもしろい要素をそっくり吸収した。
いま、うっかり「吸収」などと書いてしまったが、並みの「吸収」ではなかった。本書Ⅲ「組みたて工事」で述べるように、精確な設計図を引き、先行資料のおもしろい要素を部品として分解し、おそるべき綿密な計算のもとに、あたかも建築工事か土木工事のように組みたてたのである。のみならず、その綿密な計算については、読者にはけっして悟られぬようにした。
おお！すげえ！
本書は、〈本の雑誌〉で知った覚えが。
『西遊記の秘密#タオと煉丹術のシンボリズム(岩波現代文庫)』も読まねば！
高田衛氏の『里見八犬伝』の解説本も探してんだけどなあ～。
