読了本ストッカー:〈嘘部〉シリーズ二作目!……『闇の中の黄金』



2012/10/24読了。

〈嘘部〉シリーズの第二作です。

前作は嘘部側の物語でしたが、二作目の本書は嘘部に翻弄される人々を描いたもの。

東京PR企画という編プロを経営する津野田は、古巣の大手出版社、白日書房から、邪馬台国の特集を大々的に展開することを条件に復帰を依頼されます。
鬱々とした日々を送っていた津野田は、胡散臭いものを感じながらも全力でその調査を開始しますが……。

なんといっても本書のキモは、邪馬台国の比定手順。宇佐説を採っているんですが、(学術的にどうなのか記述師には判断できませんが)もうこれで間違いないのじゃないかと思わせる筆致!
さらにマルコポーロや盧溝橋事件、日中国交回復までつなげてみせる伝奇的手腕には脱帽です。

前作で嘘部の存在を知っていますし、登場人物の名字などから嘘部のプロジェクトの手つきが透けてしまうのですが、それは仕方ないこと。それを上回る作品でした。

唯一、津野田の元恋人(?)伸子が事故死したときの言葉の伏線が回収されていない気がするけど……まだなんか裏があるんでしょうか?