読了本ストッカー:〈嘘部〉シリーズ三部作スタート!……『闇の中の系図』




2012/10/23読了。

ほんと半村良の発想はすごいなぁ……と改めて認識する一冊。

「嘘をつく一族」って設定、論理クイズかユーモア小説の題材にしかならなそうですが、それを真っ正面から描いたのが本書。

工場に勤める浅辺宏一は、嘘をつく性癖を隠して生きています。
そんな彼をスカウトした集団は、千年も前から嘘をつくことで朝廷に仕えてきた古代氏族「嘘部」の一族。宏一こそ麻績部→小見 麻→朝→浅 などと名前を変えながら拡散していった嘘部の末裔だというのです。

オイルショックにつなげたり、服部一族につなげたり、伝奇的趣向も盛りだくさん。おもしろかったです。

ただねぇ……人間の向上心というか、底辺のときの感情を緻密に描くので……『石の血脈』もそうだったんですが、精神的なダメージ(弱!)がありまして……三部作連続して読めるのか……はなはだ不安です……。