読了本ストッカー『夢想の研究#活字と映像の想像力』


2012/1/22読了。

なぜ誉めない……。『夜明けの睡魔』でもそうだったけれど、結構貶す表現が多く、ブックガイドとしてはあまり有用ではありませんでした。
そういう意味では、『越境する本格ミステリ』小山正/日下三蔵/監修のほうが、書籍、映画とも読む気、見る気にさせるのでよいと思います。
後半になると面白い章も多く、楽しめました。

ハリウッドで、なぜ旧約聖書大作が多く作られるのに、アメリカ建国神話を扱った映画が作られないのか?を書いた「大君の都」、ナサニエル・ホーソーンを称揚した「夢のなかの生涯」、『市民ケーン』を本格ミステリとして読み解く「硝子玉とコルク玉」、19世紀のナイルの源流調査探検行のいきさつを、『アラビアン・ナイト』につなげてみせた「月の山脈」「裏切る現実」、忠臣蔵=カーニヴァル=太古の祭り=ラヴクラフト=クリスマスと拡がる「太古の祭り」、などなどがグッドでした。

『白ナイル#ナイル水源の秘密』 アラン・ムーアヘッド 筑摩書房
アインシュタインの部屋』 エド・レジス 工作舎