読了本ストッカー『フィーヴァードリーム㊤』



2011/11/9読了。

裏表紙の解説にばっちり書かれているし、超メジャー作品なので言ってしまいますが……『呪われた町』に続いて吸血鬼小説です。この文庫解説いけないと思うなあ!なぜにネタバレを……。

時代は1857年アメリカ。倒産寸前の汽船会社を営むアブナー・マーシュの元に、ジョシュア・ヨークと名乗る金持ちから共同経営の話が持ちかけられます。
条件は二つ。ジョシュア自身を蒸気汽船に乗せ、意のままに動かすことと、自らの不可思議な行動(夜しか活動しないとか)を黙認すること。あ、怪しすぎる……。

一方ニューオリンズでは、ダモン・ジュリアンと名乗る強力な吸血鬼が仲間を引き連れ跳梁しています。殺しまくり……。
アブナーとジョシュアは<フィーヴァードリーム号>という素晴らしい汽船をつくり、就航させます。さっそく怪しい行動をとりはじめるジョシュア。

アブナーは、彼が吸血鬼なのではと疑いはじめるます。しかし、ジョシュアは鏡にも映るし、銀の装飾品は着けているし、こっそりと聖水を飲ませてみても平気。果たして?

ま、ぶっちゃけてしまいますと、本書の吸血鬼たちは、『呪われた町』のようなトラディショナルな性質は持っていません。
<日光に弱い>ことと<吸血行為を行う>、<長寿である>ことくらいです。つまり、人間に近い別種の生物というわけです。
しかも<吸血行為が伝染しない>!吸血鬼(彼らは夜の人々と自称してますが)に血を吸われたら吸われっぱなし。ま、多くの場合喰い殺されますが(汗)。

あ、あんまり怖くない!『呪われた町』なんかだと、ほっといたらドンドコ増えるってのが怖いわけです。しかも誰でも吸血鬼になる可能性があるってのがね。
単なる生物ですので、夜の人々の男女同士で生殖活動を行うのです。長寿なのでなかなかそうはならないらしいですが。
なんだか『ウォーレスの人魚』みたい。