読了本ストッカー『FUTON』


2011/10/31読了。

突然『蒲団』なんかを読んだのは、このためでした。初・中島京子作品。

読みはじめてすぐに……お、面白いと直観!
東京の下町・鶉町で蕎麦屋を営んでいたウメキチ95歳。その息子で蕎麦屋をサンドイッチチェーン・ラブウェイに鞍替えしたタツゾウ72歳。タツゾウの孫でアメリカで暮らすエミ。そのエミの大学の教授で日本文学を研究するデイブ・マッコーリー。などを巡るストーリーです。

デイブが書いているらしい『蒲団の打ち直し』は、花袋の『蒲団』を、主人公時雄の妻・美穂(原作たる『蒲団』では名前も出てきません……)の視点から、文字どおり<打ち直し>たもの。中年のデイブは(時雄よりも随分スマートですが)ユミに恋をし、いろいろな女性と出会うなかで成長(『蒲団』ではゼロ成長です!)していきます。

とにかく田山花袋って……むちゃくちゃ言われていることだけは、よくわかりました。
巻末の斎藤美奈子氏の解説が過不足なく説明してくれてます。