読了本ストッカー『死の舞踏#ホラー・キングの恐怖読本』
2011/9/9読了。
ぶ、分厚い……。
キングのホラー小説作法がぎっしり詰まった一冊。
ただし、かろうじて定義もしくは論理といえるものがあるとしたら、ホラーを成立させる感情にはだいたい三つのレベルがありそうだということだろうか。第一レベルよりは第二レベル、第二レベルよりは第三レベルと、順に質は落ちていく。
として<戦慄(テラー)><恐怖(ホラー)><嫌悪感(リヴァルジョン)>を挙げています。
<戦慄>は目の前に現れないパターン、<恐怖>は、<>正体はわからないが実体のあるもの<>、<嫌悪感>はエイリアンが出てくるとこ(笑)。
こうした区別は時と場合によっとは便利なこともあるので、私のような三文ホラー作家としてはきちんと認識しておくべきだが、(中略)読者にはつねに<戦慄>を与えようと努力している。それでも、その試みがうまくいかなかった場合には<恐怖>を与えることも辞さない。それにも失敗すれば間違いなく<嫌悪感>タイプに走るだろう。私にプライドはない。
すべてのファンタジー小説は本質的に力の概念についての物語である。偉大なファンタジーとは、とてつもなく大きな犠牲を払って力を手に入れた者か、悲劇的ななりゆきで力を失った者をめぐる物語だ。もともと力を持っていて、けっして失うこともなく、ただ振り回すだけの者をめぐる物語は、二流のファンタジーでしかない。
さあ、そろそろ本当にお暇しよう。おつきあいくださってありがとう。ゆっくりお休みください。ただ、私は腐ってもスティーヴン・キング、「よい夢を」と申し上げる気にはならないが……。
キング最高!
『山荘綺譚』 シャーリイ・ジャクスン 早川書房 ハヤカワ文庫NV
『たたり』 シャーリイ・ジャクスン 東京創元社 創元推理文庫
『死の接吻』 アイラ・レヴィン
『縮みゆく人間』 リチャード・マシスン 早川書房 ハヤカワ文庫NV
『聖槍』 ジェームズ・ハーバート 早川書房 ハヤカワ文庫NV
『母親を喰った人形』 ラムジー・キャンベル 早川書房 ハヤカワ文庫NV
『闇の聖母』 フリッツ・ライバー 早川書房 ハヤカワ文庫SF