読了本ストッカー『論理の蜘蛛の巣の中で』



2011/7/27読了。

巽昌章氏も、瀬戸川猛資氏も、良く見かける名前ですが、実はどういう立ち位置にいる人々なのか、存じ上げないのです……。
記述師は、どうやら顔写真なんかで認識するようで、書評や評論を中心として活躍する人々は、大森望氏、豊崎由美氏、笠井潔氏、法月綸太郎氏、北村薫氏くらいしか論旨(代表的な)を知りません。
従って、本書の著者である巽昌章氏が普段いかなる論旨を述べているのか、業界内での立ち位置、他者との関連性などまったくわかりません。

しかし「はじめに」で述べられている<ジャンルを横断したい>→<しかし自分の述べる言葉が本格よりの発想に縛られていることは自覚している>→<かといって中立な言葉など手に入るべくもない>
という迷いの中、
不偏不党の視点、無色透明の言葉など、そう簡単に手に入るはずもないのだ。そんな言葉があるというものは、私たちが様々な幻想にまみれて生きている実態から目を背けているか、中立を装いながら「小説は人間を描くべきだ」「エンタテインメントは面白ければよい」といった別のイデオロギーを押し付けているかのどちらかである。
要するに、ジャンルの壁が邪魔なときも、その壁を頭から無視してしまうのは安直に過ぎ、壁を乗り越えると称して別のイデオロギーの押し付けに終わるのは不毛である。


との認識の中、真摯に<本格推理小説>を考えていく姿勢には非常に共感できました。

メインどころの作家、作品をもとに共通点を探っていくため、ブックガイド的性格は弱い(当たり前)ですが、チェック済みか気になった作品を一応チェック。

『笑う山崎』 花村萬月
『殉霊』 谺健二
『依頼人は死んだ』 若竹七海
『もう一人の私』 北川歩実
不夜城』 馳星周
『噂』 萩原浩
『たったひとつの』 斎藤肇
『未熟の獣』 黒崎緑
『Dの複合』 松本清張
『世界の果ての庭』 西崎憲
『フレームアウト』 生垣真太郎
『赫い月照』 谺健二
『千年の黙』 森谷明子
『鎮魂歌』 馳星周
長恨歌』 馳星周
『アムネジア』 稲生平太郎