読了本ストッカー『バベルの薫り㊤』



2011/4/25読了。

初の野阿梓氏作品。
おぉ、なんだか『銃夢THElast order』みたいな出だし! いきなり月面都市での闘いが繰り広げられます。
筋骨たくましいその男は四本の腕をもっていた。上腕の腋下からもう一対の腕が生え、男は無言で腰をおとすと、功夫の構えをとった。生体工学の賜物であろう。
とか
下方の両腕が二本とも、破壊されていた。孤悲が指一本ふれていないにもかかわらず、腕は、内側からその筋組織を裂かれ、自由をうしなっている。彼の放った後ろ回し蹴りの全エナジーが、彼の腕の中で縮爆したのだ。
おぉ!「周波衝拳(ヘルツアハオエン)」じゃ!
と、物語が地上に降りた途端、サイキック学園ものに……(笑)。
なんだかもう。
時代は世紀。宇宙へ進出した人類は、月面に、ラグランジュポイントの群島に、拠点を築き上げています。
国防軍の戦力を背景に勢力拡大を謀る日本、ヴァティカン、銀はん封に巾、霊的学術団体マホロバ、ヴェトナム・ラオスカンボジアからなるハノイ連邦、天皇制をSF未来世界に置き換えたり、さすが解説が笠井潔氏だよなあと納得。

探求書リストに他の著作を載っけたか忘れたので、念のためチェック。
『花狩人』 野阿梓 ハヤカワ文庫JA
武装音楽祭』 野阿梓 ハヤカワ文庫JA
『五月ゲーム』 野阿梓 ハヤカワ文庫JA