読了本ストッカー『アヌビスの門㊤』



2011/3/30読了。

これってハヤカワ文庫FTなんですね……SFかと思ったが。

時は1802年古代エジプトの栄光を再び甦らせようと、大神アヌビスを召喚する魔術をおこなったことで、どうやら時空に孔が穿たれた模様。
その孔は、1802年を中心として前後各300年にある規則性をもって並んでいます。
それを発見した1983年の大富豪ダロウは、タイムスリップを企てます。巻き込まれるのが、幻の詩人ウィリアム・アッシュブレスを研究している冴えない学徒(おっさんですが)ブレンダン・ドイル。

ダロウのタイムスリップ表向きの目的は、1810年のコールリッジの講演を聞きに行くこと。お金持ちから資金を募って皆で講演を聞きに行くツアーを企画します。そこでコールリッジに関する本をものしたことのあるドイルに、白羽の矢がたったわけです。

1810年あたりに流行した「狂猿舞踏病」なる奇病や、「犬面ジョー」という全身毛むくじゃらの殺人鬼など出てきててんやわんや。
バイロンなど実在の人物も出てきますが、謎の中心に位置するアッシュブレスが架空の人物っぽいので、伝奇臭は薄め。
タイムトラベルの原因が魔術だし、普通に魔法が出てきますし、やはりファンタジーかな?