読了本ストッカー『フィンガーボウルの話のつづき』

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫)フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫)
著者:吉田 篤弘
販売元:新潮社
(2007-07)





2009/10/20読了。吉田篤弘氏の作品は、『つむじ風食堂の夜』に続いて2作目。ちょっと込み入った構成(そうでもないか)の連作短編集です。
<世界の果て>と呼ばれる袋小路にある<世界の果て>と呼ばれる食堂。なんだか『王様のレストラン』みたいだな……。<物語>が始まるって感じがして、とても良い短編です。

「<彼ら>の静かなテーブル」
「ジュールズ・バーンの話のしっぽ」
ジョン・レノンを待たせた男」
シシリアン・ソルトの効用」
「閑人カフェ」
「私は殺し屋ではない」
「その静かな声」
「キリントン先生」
「小さなFB」
「白鯨詩人」
「ろくろく」
「フェニクス」
「ハッピー・ソング」
「ピザを水平に持って帰った日」
「フールズ・ラッシュ・イン」
「Don't Disturb Please起こさないでください」
「あとがきのかわりに ジュールズ・バーンの話のつづき」

読み終わって思うのは、吉田氏の作品にはセックスの匂いがしないということ。現代日本小説では、直接間接に性の匂いのする作品が多い(記述師の超主観です)ので、こういうのを読むと、安心します。草食系男子?まあそれをきれいごとと読むかどうかはありますが。