読了本ストッカー『江戸忍法帖』

江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫)江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫)
著者:山田 風太
講談社(1999-05-14)

 

2009/10/15読了。

 

  <山田風太郎忍法帖>シリーズの第二作。
講談社文庫版の本シリーズは、発掘順に読んでいるので、まだ『甲賀忍法帖』『伊賀忍法帖』しか読んでないのですが。

  足柄山で育った葵悠太郎は、四代将軍家綱の隠し子。彼を世に出そうとする三人の家来たちは、それを阻もうとする柳沢吉保が操る<甲賀七忍>に殺されてしまいます。
  家来を惨殺されても動こうとしない、世に出る気のない悠太郎がいかにも山風キャラ。勧善懲悪すぎて、山風御大からも読者からも評価の低い本書ですが、意外に冷たい主人公で、記述師好みです(笑)。
  Amazonのレビューをみるとメタクソ言われていますが、本書の面白さはミステリ風味なところにあると思います。仮面を付けた忍者を利用しての入れ替わりや、姫様と獅子舞の娘の入れ替わりなど、読者を欺くためではないけれど、なかなか細かいトリックで素敵です。