読了本ストッカー『レテの支流』

レテの支流 (角川ホラー文庫)レテの支流 (角川ホラー文庫)
著者:早瀬 乱
角川書店(2004-11)

 

2009/10/13読了。

 

本書はジャケ&裏表紙解説買い。角川ホラー文庫としては、『霊名イザヤ』以来のジャケ買いです。

  舘岡怜治は不動産仲介を生業とする男。大学時代に<レテ>というバンドで一発あて、落ちぶれた今、その成功の記憶によって苦しめられています。
医者になった高校の同級生が、記憶を選択的に消去できる技術を持っていることを聞き及んだ舘岡はその施術を受けますが、それ以来死んだはずの同級生の姿を見かけたりおかしなことが起こりはじめます。

  記憶SFといったら小林泰三氏の傑作「酔歩する男」がありますから、かなり厳しい分野ですが、期待以上の面白さでした。
  ただ、このSF的メイントリック……かなり無理がある気が。これじゃあ人類そのものが存在できなくなるし(笑)。勢いは非常にあって、かなり面白いのですが。