読了本ストッカー『メシアの処方箋』

メシアの処方箋 (ハルキ文庫)メシアの処方箋 (ハルキ文庫)
著者:機本 伸司
角川春樹事務所(2007-05)

2009/9/24読了。




時は2029年。主人公はインドにて、氷河湖決壊による洪水を防ぐべくダム建設を行っているゼネコンに務める鈴木鎮夫。
氷河湖のひとつが崩壊し、大規模な土石流が。ダムに<方舟>らしきものが浮かび上がります。その中からは、蓮模様が記された木簡が発見されます。

遺物は本当に<方舟>なのか?蓮模様は一体何を示しているのか?
インド考古局からゴーラム博士が派遣、EOCE(資本経済連合)からもエバンス教授が派遣され、政治も絡んで熾烈な研究戦が開始されます。鈴木のもとには<ロータス>というハンドルネームの人物から連絡が入り……と物語は進みます。

設定としてはネット環境などは近未来という感じ。政治が関わってくるところは小松左京の跡を継ぐものという感じでしょうか?
しかし、基本的に人間性への信頼感があるところが、甘いかとも感じます。例えば、ネットを通して情報を世界に開示してしまっても大丈夫なとことか。

キーワードは「おまえは知りたくないのか?」。いろいろなハードル(主に倫理的な)を乗り越えるのにすべてこの好奇心が。しかし、凄く小さくまとまった気がするけど。