読了本ストッカー『試験に敗けない密室千葉千波の事件日記』

試験に敗けない密室 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)試験に敗けない密室 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)
著者:高田 崇史
講談社(2005-09-15)

2009/9/17読了。





『試験に出るパズル』に次ぐ<千葉千波事件日記>シリーズの第二作目です。

前作は短編集でしたが、本書は長編仕様。
作中に頻出するパズルが、楽しみなんですが、本書では割とおとなしめかなあ。

本書を読んでいて感じたのですが、こういうパズラー的作品(?)って、どこまでを確固たるものとして捉えたらよいのか、どこまでが<あり>なのか、判らなくなりませんか?

例えば、「柵が結ばれていた紐がほどかれていた→誰かが意図的にほどいたことは確実→事件だ」 なんて論理がでてくると、あ、そこまで跳んじゃうんだ、なんでもありだなあと思ってしまう。メタな可能性まで視野にいれなきゃいけないのかとか。

そういう意味では、登場人物、特に(本書の場合)地元の人たちの人間関係とか、しがらみとかが描かれると、その枠組み(どこまで疑うのか?)がわかりやすくなると思います。パズラー的ミステリは、長編には不向きかなと感じました。

それを逆手にとると、『六色神殺人事件?』みたいな傑作がでるんですが。でも本書は面白いんですよ、ホント。