読了本ストッカー『太陽と月のアラベスク』

太陽と月のアラベスク (ハヤカワ文庫FT)
著者:リサ ゴールドスタイン
早川書房(1995-03)

2009/8/19読了。

時は16世紀、女王統治下のロンドン。夫を病で喪い、息子も行方不明となった女性は、夫の職を継ぎ、境内で商う書籍商となります。そんな中、妖精たちが王位争奪をはじめ……という超ど真ん中ファンタジー

しかし、大英帝国の王位継承などと密接に関わりそうと思いきや、そうでもない。そういう意味では、期待したほどの伝奇性がないです。マイナスポイントかなあ。
それにしても、主人公をはじめとして、魔女(?)、からなにから、すべて中年。日本ではなかなか考えられない、団塊の世代ファンタジー(笑)。今こそ、フェアでもやるべきじゃないでしょうか?

本書では、「光」は「闇の中でこそ力がある」ので、闇の生き物と光の生き物の区別は明確ではありません。そんな両義的なところもまた、大人のファンタジーでしょうか。