読了本ストッカー:<孔雀王>vs<サイコダイバー>vs<探偵ガリレオ>……『三人のゴーストハンター 国枝特殊警備ファイル』

三人のゴーストハンター―国枝特殊警備ファイル (集英社文庫)三人のゴーストハンター―国枝特殊警備ファイル (集英社文庫)
著者:我孫子 武丸/ 田中啓文 / 牧野修
販売元:集英社
発売日:2003-09


 


 


2008/11/21読了。


    出張先のブックオフでようやく発見し購入。これだから地方のブックオフは気が抜けない(笑)。


    国枝特殊警備保障(有)に所属する三人の警備員(?)、拝み屋 洞蛙坊、サイコ青年 比嘉薫、工学博士 山県匡彦を、それぞれ田中啓文氏、牧野修氏、我孫子武丸氏が書くシェアワールドホラーノベルです。



◆「File① 洞蛙坊 熱キ血汐ニ……(田中啓文)」



……国家機密レベルの研究を行っているハムラビ電気産業のビルで全身の血が抜かれた殺人が連続して起きます。助手の橘小百合を伴って洞蛙坊が祓いに向かいますが……。邪悪な法力と駄洒落を駆使する(笑)洞蛙坊。四年前のある事件で右半分の顔が下にずれている(アシュラ男爵みたいなもの?)悪相ですが、そのお祓いもまた……グッチョングッチョンのグチョグチョです。うえぇ~。『孔雀王』にウ○コとエロをぶっかけたような作風ですが、案外(?)正統派ホラーですね。


◆「File② 比嘉薫 獣日和(牧野修)」



……「獣日和」……かっこぇ~タイトル。妄想の手で他人の妄想に触れる男、比嘉薫。まぁいってみれば、<サイコダイバー>ですね。


◆「File③ 山県匡彦 楕円形の墓標(我孫子武丸)」



……三人の中で、唯一超常現象を信じない男、山県。我孫子版『探偵ガリレオ』です。我孫子氏、金儲けのチャンスをふいにしましたね(笑)。


◆「File④ 洞蛙坊 常世の水槽(田中啓文)」


◆「File⑤ 比嘉薫 鳥迷宮(牧野修)」


◆「File⑥ 山県匡彦 呪われた偶像(我孫子武丸)」


◆「File⑦ 洞蛙坊 血まみれの貴婦人(田中啓文)」


◆「File⑧ 比嘉薫 葛千夜(牧野修)」


◆「File⑨ 山県匡彦 ハネムーン・スイート(我孫子武丸)」


◆「FinalFile???(?)」


あまり詳しく書くと、なんだかいろいろと不都合がありそうなので、タイトルのみ列記で。個々の短編はよく出来た話なんですが……「Final File」がねぇ。一番納得できたのは、比嘉薫の話かな。