読了本ストッカー:明石散人の自由な伝奇……『鳥玄坊 ゼロから零へ』

鳥玄坊―ゼロから零へ (講談社文庫)鳥玄坊―ゼロから零へ (講談社文庫)
著者:明石 散人
販売元:講談社
発売日:2002-09
おすすめ度:4.0
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2008/11/6読了。


    『鳥玄坊〈1〉根源の謎 (講談社文庫)』『鳥玄坊―時間の裏側 (講談社文庫)』に続く<鳥玄坊三部作>の最終巻です。


    このシリーズは、伝奇小説としては面白いんですが、なんといっても文体がいただけない・・・。



「薫子の考えすぎだよ。それに人が意識する時間の先端は一つじゃないか」
「時間の先端は無数にあるわ」
「無数は空空としているから有を誕生させないだろう」
「でも空空は空を生み、空は化有の根であって、化有は有の根源だわ。だから時間の先端は無数にあるの。その無数はただ単に自己の意識の中で失われたにすぎなくて、無意識の世界ではずっと継続してるわ」


    わけわからん……。説明的会話文が延々と続きますので……。


    鵜葺草葺不合命の長男 五瀬命を始祖とするリーダー鳥玄坊、鳥玄坊の妻にしてすべての母・石神亜玖梨、日本武尊を始祖とする鳥玄坊の妹・一条路マキ、天皇の杖刀人 多氏の直系で、一子相伝古武術、胡飲酒舞(こんじゅのまい)の伝承者・青山ヒロシ、安倍晴明の直系松六晴明、竹内宿禰の子孫・野村吉克、稲田姫の子孫・香月狐寿琳、野見宿禰の子孫・黒田秀麿など相変わらず鳥玄坊一派が大活躍。


    しかしこれまで鉄の結束を守ってきた一派が、今回はバラバラの危機に。首チョンパの嵐だし‥‥‥。


    巻末のあとがきによると、小説の構成は無視して書きたいように書いているというような著者の言葉があって、む~わかってやってるんだ、明石散人と納得。