読了本ストッカー:直球青春巨篇……『黄色い目の魚』

黄色い目の魚 (新潮文庫)
黄色い目の魚 (新潮文庫)


佐藤多佳子
新潮文庫
2008/10/8読了。


  佐藤多佳子氏作品は初めてです。<ダ・ヴィンチ>なんかでよく見かけていたので、読んでみました。


  村田みのりはイラストレーターの叔父を持つ高校生。木島はサッカー部に所属する高校生。木島は、売れない絵描きとして死んだ父を遥かに凌ぐ画才の持ち主。ひょんなことからみのりをモデルとして描くことになります。描いても描いても描き足りない、理想的な描き手とモデルの関係が描かれます。


  二人の関係は恋愛とはちがうと書かれていますが、終盤一気に恋愛ものになっちゃってる気が。ラストまで恋愛とは違う方向へ行けば良かったのにと思います。


  父親や叔父の存在から、絵に複雑な感情を持つ二人ですが、画才のある木島、絵を見る力があるみのり、とそれぞれに行く道を模索します。直球の青春小説でした。