中公文庫
2008/8/21読了。
『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』とか、ラヴゼイの『絞首台までご一緒に (ハヤカワ・ミステリ文庫)』とか、本書を本ネタにした作品が多数あるので、先に読んどかないとな、と探していました。珍しく神田の羊頭書房にて入手(もちろん100円)。
『犬は勘定に入れません』の新刊時にも案外平積みにしている書店がなく(一部しか見ていませんが)、有隣堂秋葉原店では平積みになってたなぁ。
見返しには、訳者である丸谷才一氏の略歴が・・・どっちが作者じゃ。しかし・・・面白い!これ原書の出版は1889年なんですが、この気鬱な感じ、ニートな感じ、現代にぴったり(笑)。『蟹工船』読んで暗くなるより、こっち読んで楽しくなったほうが正解です(笑)。
ただボートに乗っているだけなんですが、ガンガン妄想(&回想)が広がって話が進まないし、ボートの上で<犬神家倒立状態>になったりするし、広々とした野原で人体消失事件が起きたりするし・・・すごいな。土屋賢二氏がボートに乗った、と考えていただければ(笑)。
巻末解説は、井上ひさし氏。井上氏の文章もまた面白い。記述師は常々、<別役実 = 土屋賢二>と考えていたんですが、<= ジェローム・K・ジェローム=井上ひさし>の四つどもえですね。