読了本ストッカー:電車内読者は厳禁!……『ワセダ三畳青春記』

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)


高野秀行


集英社文庫


2008/5/28読了。


 


ミャンマーの柳生一族』が面白かったので、またまた『族長の秋』はほっぽいといて、続けて高野秀行氏作品。こんなにハマったのも久々だなぁ。


高野氏が棲んでいた(まさに<棲>という字がフサワシイと思う・・・。)ワセダの野々村荘の11年間(!)を描いた物語。


記述師も大学時代、一年間四畳半に住んでいました。首都圏といえば首都圏・・・ですが地方都市のことですから、家賃は一万三千円(勝った!)。高野氏は三畳で一万二千円ですが、そこはなんといってもワセダですからねぇ。風呂トイレは共同でしたがキッチンはついていたのでわりと広く感じたし、すごく暮らしやすかったなあ。大学から徒歩一分くらいでした(笑)。でも学生の9割近くが大学周辺に住んでいたのでな~んのアドバンテージにもなりませんでしたが。


そんなことはさておき、もうニヤニヤが止まりません。
「人体実験で十五時間、意識不明」の章は、ニヤリどころか電車の中で明らかに笑ってしまい(かろうじて声はミュート)「ヤバい!変な人だと思われる!」と思って真面目な顔をしようとすればするほどニヤニヤしてしまい「止められない~」・・・もうむちゃくちゃ恥ずかしかった・・・(涙)。


そういうわけで通勤の電車の中でまったく読めなかったので、帰りの電車で読もうとしたのですが、もう朝の段階で笑いのスイッチが入ってしまっているので、笑いをこらえるのが精一杯。しかたがないので、この章は飛ばして読みました。


しかし笑いばかりではなく、ラスト数章のシリアスな内容もまた、面白いです。


初めて会社に勤めた高野氏が、「会社で働くという、地に足がついた感覚がこんなに気持ちよいとは」と驚く場面は非常に共感。そうそう、男はすぐに組織に染まっちゃうから・・・。


高野氏の著作手持ちのものはすべて読み尽くした(三冊だけど)ので、他の本も探してみよう!