読了本ストッカー:グルメ版マクロス(嘘)……『妖神グルメ』

妖神グルメ (ソノラマ文庫 (278))


菊地秀行


ソノラマ文庫


2008/5/19読了。


菊地秀行氏によるクトゥルー神話大系異色作。
クトゥルーの胃袋を満足させるために選ばれた、天才イカモノ料理家を巡るストーリーです。


これでもかこれでもかと、邪神を満足されるために料理を繰り出す、というような『美味しんぼ』みたいなの(?)を想像していたのですが、全然違いました。


オーストラリアの海底に眠るクトゥルーのところへたどり着く前に、インドだのアーカムだのにいくはめに。実は記述師、クトゥルー神話の原典を未読なので(!)『クトゥルー神話事典』を片手に読みましたが、いろいろなネタが仕込まれていました。


記述師のクトゥルー初体験は多分浪人生のとき。地元の書店で、今思えば(『クトゥルー神話事典』で調べたんだけど)田中文雄氏の『邪神たちの2・26 (学研ホラーノベルズ―クトゥルー神話セレクション)』だったんだなあ。衝撃的でした。立ち読みで読破しましたけれど。そこはかとない記憶によると、クトゥルーという言葉は、その前から知っていた気もするが・・・。


何はともあれ、「文化」ではなくて「料理(イカモノ)」で世界を救う(?)グルメ版『マクロス』みたいなお話でした(デ、デカルチャー!)。ちょっとシマラナイ感じかなぁと思っていたのですが、ラストでビシッと締めてくれました。