秘太刀馬の骨 (文春文庫)
藤沢周平 文春文庫
2007/12/14読了。
某藩(たぶんご存知海坂藩)の近習頭取・浅沼半十郎は、筆頭家老・小出帯刀から、数年前の重臣暗殺に利用されたと思われる秘太刀「馬の骨」の遣い手探索の手助けを命じられます。小出の甥である石橋銀次郎は、「馬の骨」を伝えているといわれる不伝流の矢野道場の高弟たちを訪ね、強引に勝負を挑むのですが・・・そして浅沼は巻き込まれます(笑)。
いや~良く出来た話だ。とても面白かったです。遣い手探しのミステリとしても最後まで楽しめますし。出久根達郎氏が巻末の解説で「意外な犯人」に言及しているのですが・・・それは考えすぎでしょ~!!
それにしても気になるのは「隠しとどめ」。
男はじっと倒れた○○を見ていたが、やがて血を拭って刀を鞘にもどした。血を拭った懐紙はうずくまって○○の袂に押し込んだ。隠しとどめである。
これって何でしょうか? 簡単にネットで検索してみたんですが、でてきません。懐紙で刀を拭うのはいいとして、袂に押し込む事で「とどめをさしました」という意思表示(?)なのか、それともとどめをさしたことを「隠した」のか?ご存知の方は教えてください。
【追記2016/3/1】
当ブログに『隠しとどめ』のワード検索でいらっしゃる方が多いようなのですが、私のほうでは結局判明しなかったので、下記ブログをご紹介します。
早瀬ミサキさんのブログ『活字遊戯 ~BL/黄昏シリーズ~』の記事
早瀬の執務室185 幕末編イラスト「沖田稽古中」&武士の情けと隠しとどめ
にて、『隠しとどめ』について解説されています。なるほど! いろいろ調べてみたのですが、早瀬さんの解説が一番しっくりきます!
『隠しとどめ』で検索すると出てくるので、ご存知のかたも多いと思いますが念のためご紹介しておきます。
池波正太郎氏の『おつとめ』みたいに作家が作り出した言葉なのかなあと思っていたのですが、どうやらそうではないようですね。
早瀬さんありがとうございました!