読了本ストッカー:「単時点的(パンクチュアル)な意味において、さようなら」……『タイタンの妖女』

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262)


カート・ヴォネガット・ジュニア


ハヤカワ文庫


2007/11/22読了。


今年亡くなったカート・ヴォネガット。書店店頭でもSFマガジンの追悼特集と絡めてフェアが見受けられました。しかし品切れも多いのか(未確認です)寂しいフェアが多かったです。


『プレイヤー・ピアノ』を読んだのはいつだったか? 2005までの日記には見つからないことから、それ以前なのは間違いない・・・。しかもストーリーもうろ覚え・・・。『スローターハウス5』『猫のゆりかご』『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』など代表作を続けて読みたいとこなのですが、105円ではぜったいに集まりそうにないので、諦めて読むことに(こればっかりだな)。


ヴォネヵットってこんな作風だったっけ?と驚かされます。訳者あとがきが、次のように綺麗に解説してくれています。



とても話上手なおじさんが、とぼけた口調で面白おかしい物語を聞かせてくれます。どうしようもないほどバカな人間たちの演じる、時にはグロテスクで、時には悲しく、時には美しい、しかしつねに滑稽である物語です。腹をかかえて笑いころげながら、聴き手はいつのまにかしんみりとなにかを考えさせられてしまいます。


こういう風に評されるSFと言えば・・・ラファティだよなぁ。『つぎの岩につづく』でけこう挫折気味だった記述師ですが、本書は最後まで読み通すことができました。


時間等曲率漏斗(クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム)とか、波動状態として、ベテルギウスから太陽系まで、螺旋状にあまねく存在しているとか、たまに地球上に実体化するとか、トラルファマドール星人が宇宙に向けて放ったメッセージの謎とか・・・記述師の貧困な読書歴によると、ネタ的にはティプトリーの『故郷から10000光年』やアダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』に近いかと。もっとSFSFしたSF(わかります?)のほうが好きですが、とはいえとても現代小説的で面白かったです。


ちなみに『銀河ヒッチハイク・ガイド』のことで、今回初めて知ったのですが・・・Google電卓であの有名な<人生、宇宙、その他すべての答え>を計算すると・・・なんと! すげぇGoogle