読了本ストッカー:「ご主人さまのお好きなように!」byコンセイユ……『海底二万里』

海底二万里 (創元SF文庫)


ジュール・ヴェルヌ  創元SF文庫


2007/8/16読了。


ジュール・ヴェルヌといえば、記述師にとっては小学生時代にかなりはまった作家。小学校の図書館で(たぶん福音館版の)大判のハードカバーを読んだことを思い出します。今、福音館文庫で出ているものだと思うんですが、詳細は不明。続編にあたる『神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)』がむちゃくちゃ面白かった覚えがあるので、久々に読んでみようとして、まず本書から。創元SF文庫ですが。


ノーチラス号に乗り込むことになる教授、ピエール・アロナックス(ナディアでいうとジャンですな)の召使いのコンセイユのキャラが抜群に面白いです。



「おまえの言うとおりだ、コンセイユ。きっとわたしたちは笑いものになるだろうな」
「実際そのとおりです」とコンセイユは静かに答えた。「ご主人さまは笑いものになると思います。それに・・・」
「それに?」
「はい、ご主人さまは笑いものになるだけのことはなさったわけですし!」


 「コンセイユ」と、わたしはそばにいた忠実な従僕に言った。
「わかっているか、わたしたちは爆発で吹き飛ばされるかもしれない」
「ご主人さまのお好きなように!」


昨年あたり流行ったジーヴスみたいです。大航海時代の冒険家ラ・ペルーズ船長の最期をめぐるエピソードがあったり、伝奇っぽい感じもあります。


ヴェルヌってけっこうベタなギャグ好きみたいですね。ネモ船長に巨大な真珠貝を見に行くことに誘われた“わたし”、アロナックス教授。でもその付近に人喰いザメがいるらしいことを知らされ、ビビッてしまいます。そして次の会話・・・



「うん。文字どおり宝石箱のようになっているものもある。話によると、わたしには少々疑わしいのだけれども、一五〇ものサメのはいっていた真珠貝があったということだ」
「一五〇のサメですって?」とネッドが叫び声をあげた。
「サメと言ったかね?」とわたしもあわてて叫んだ。「一五〇の真珠というつもりだったんだが。サメなどということはあり得ない」


「サーの著書に従えば」とわたしは答えた。「セイロンの漁場の毎年の収入は確実に三百万サメだ」
「フランでしょう!」とコンセイユが言った。
「そうだ、フランだった!三百万フランだ」とわたしは答えた。


「あれですね」とコンセイユはガラスケースのなかのみごとな真珠を指さして言った。
「そのとおりだ。わたしの考えでは、間違いなく二百万・・・」
「フランです!」とコンセイユがさっと言った。
「そう、二百万フランだ」とわたしは言った。


<海底トンネル>とか<アトランティス>とかドキドキですね!しかし・・・読みづらいなあ、正直。どうしてあんなにはまったのか・・・。