小松左京 ハルキ文庫
2007/7/3読了。
1968年発表作ですが、1970年代云々という記述があるので、近未来SFということでしょう。さすが小松左京! 抜群のリーダビリティ&リアリティです。おなじ○○○が出てきても、高橋克彦とはちがいますね(高橋氏の作品も好きですけれど)。
本書は何の先入観もなく読むことをオススメ。記述師も裏表紙の解説を読まずに本編を読み始めたので、とても楽しめました。
人々は、その都会の、煮えたぎるようにせわしない生活の延長上に、めいめいが、平穏で、よりゆたかな「明日」を思い描いていた。―――「明日」もまた、「今日」とまったくかわらないものと、頭から信じこんで、誰もうたがいもしなかったのだ。だが、その巨大な都会の上に、そして、地球上の全人類にとって、今や、誰も想像したこともない、「見知らぬ明日」が訪れつつあった。
それにしても、やっぱり『ID4』なんかが、いかに楽天的な映画か思い知らされますな。最終決戦だ!撃て!ドカ~ン!やったぜ!地球は救われた!・・・みたいなね。