読了本ストッカー:大人に読ませとくのはもったいない、本。……『月の砂漠をさばさばと』

月の砂漠をさばさばと


北村薫/著  おーなり由子/絵  新潮文庫


2007/3/25読了。


記述師の自宅では、本棚のある4畳半は本棚に入りきらない文庫本が積んでありまして、そこは娘の獣道(笑)となっております。その山の中から娘が散歩がてら(?)拾ってきたのが本書。誰が買ったんだっけ、これ。記憶がないところをみると、妻でしょうか(ブックオフの値札ついてないし)?そういえば読んでなかったなぁ、と思い読書。


9歳のさきちゃんと、作家であるお母さんの物語、12編です。クマが新井さんちに来たらアライクマになる、なんて普通だったら笑い話で済んでしまうところですが、そこは北村薫!こんな深い物語になるなんて。素敵ですね。
梨木香歩氏の解説も絶品ですので、ぜひ文庫版を読むことをオススメします。梨木氏は、北村師の『盤上の敵』に絡めて解説を書いているので、『盤上の敵』も再読したくなり、本の山の中を探したのですが、見つからず!娘の獣の本能に期待しましょう。


本書を読んでいてドキッとする部分が、小さい頃に読んだ『ちいさいモモちゃん』シリーズに通じるところがあるような気がしました。久々に読んでみたいなぁ。講談社のHPを確認したところ、青い鳥文庫から復刊されている模様。単行本の人形の表紙も捨てがたいんですけど・・・集めようかなあ。


文庫なので「絵本」とは言えませんが、おーなり由子氏の挿絵も素敵なので、絵本にカテゴリ。「児童書」のカテゴリを作ろうかとも思ったのですが、本に子供用も大人用もないと思うので止めときます。五つ星です。