読了本ストッカー:死ねや、者共!……『天と地と㊤』

天と地と 上


2006/12/25読了。


来年の大河ドラマは「風林火山」ということで、既にフェア展開している書店さんも多く見かけますが、こちらは上杉謙信を主人公とする大巨編です。
記述師が読んだのは上下巻の角川文庫版。現在は文春文庫で3分冊になってるようですが、2冊で210円なんでこっちがお得でした(笑)。
海音寺氏の作品は初めてなのですが、非常にリズミカルで読みやすいですね~。戦国時代初期ということもあり、まさに群雄割拠。「この時代の武士は江戸期に入ってからの武士のように儒教仕立ての武士道徳に縛られてはいない。はるかに自然人的だ。」と繰り返し書かれているように、主従関係も絶対的なものではなく、それがまた魅力的(複雑ですが)。
それにしても、幼い景虎が乞食の子供を自分の身代わりに殺させるとこはショック!使者が殺される可能性があるとき、士分の者ではなく、小者を使者にするなど非情といえば非情。まあ、へんにヒューマニズム溢れるへなちょこ時代小説よりはましですが・・・。あっちこっちと仰ぐ旗を変えながらも、その類稀な戦闘力で重用される柿崎和泉守景家もいいキャラです。