読了本ストッカー:日本SFの傑作短編集……『老ヴォールの惑星』

老ヴォールの惑星


2006/9/11読了。


小川一水氏の作品は『第六大陸』を読了。『復活の地』を集め中です。本書は短編集。


「ギャルナフカの迷宮」・・・迷宮に投獄された囚人たちによる社会形成RPG。「復活の地」に続くものでしょうか(それとも前に発表されたものでしたっけ?)。
「老ヴォーカルの惑星」・・・表題作。珪素と金属でできた異星種族の物語。表紙のイラストを見ると想像しやすいです。異星版『神の鉄槌』でしょうか。「風見のヘラス」「囮のピーパー」「角度のリョーカ」「方位のゼローマ」「揺らぎのオーデ」「眠りのテトラント」「大数のゼオ」「進化のタンブ」「距離のイーゴ」、そして「惑星のヴォール」。素敵なネーミングです。そしてラストも素敵です。
「幸せになれる箱庭」・・・何を言ってもネタバレ。タイトルと途中で出てくるギミックでなんとなく予想は付きます。
「漂った男」・・・世にも珍しい(?)漂流SFです。タテルマ少尉は海だけの惑星パラーザに不時着、漂流することになってしまいます。Uフォンという通信装置によって通話は確保されているのですが、なんと予算の問題で(…。)救出作業は打ち切られてしまいます。あとは読んでのお楽しみ。五つ星です!