読了本ストッカー:高学歴ニートVS芸術家ニート!……『私小説 from left to right 』

私小説 from left to right


2006/8/23読了。


本格小説』がとても面白いと聞いて、その前段階として購入しました。手に入れてみると、ブックオフでちょくちょく見かけていた本でした。


横書き・英文混じりの文章というイメージから、バイリンガル自慢の若者が書いた自伝的小説と勘違いしてました。高学歴ニート(?)である妹・美苗と、芸術家ニートな姉・奈苗。2人の電話の会話と、美苗の独白で物語が語られます。アメリカで青春時代を送った彼女たちは、大人になり、日本へ帰るか否かの選択に迫られます。といっても誰かに帰れとか言われてるわけではなく、アメリカで育ち住んでいるのにいつまでたっても「日本人」としか見てもらえない「自分」と、日本に帰っても「日本人」になれそうもない「自分」との狭間で悩み、結論を先延ばしにしているだけなんですけど。最初から最後まで悩み続けます。ちょっと飽きてきますが、奈苗が学生のとき、パーティーで相手役に韓国人をあてがわれてブチきれるエピソードなど、多彩な挿話で読ませます。